もう既に語り尽くされていて今さら感のある,1,000 円での高速道路乗り放題という緊急経済施策.
これは 2008.10.21 ごろに政府・自民党内で案が固まり,
2008.10.29 に国土交通省から発表されたもの.5,000 億円の財源を値下げ原資に充てる.その 5,000 億円のうち初年度分は財政投融資特別会計のいわゆる "埋蔵金" から捻出し,次年度以降は公共事業削減より余り気味の道路特定財源から充てる.要するに値下げ分は各道路会社へ税金から補填されるということ.
政策発表から 3 か月後の 2009.01.27 に国会で成立した 2008 年度第二次補正予算案に盛り込まれた.この補正予算実施のために必要な関連法案は,一部が 2009.02.13 に参院でも可決され成立したが,定額給付金と高速道路料金値下げのための関連法案はまだ成立していないので,実施はそれらが成立してからとなる.今のところ 2009 年度から 2 年間の見込み.
この値下げは,土日祝日に入口あるいは出口料金所を ETC で通過する普通車・軽自動車が対象で,通行料金を全時間帯で半額 (5 割引) とし,かつ,\1,000 を上限料金とするというもの (車種については観光バスへの割引適用も検討中).
よって青森~鹿児島という最長距離でも,高速道路を出ずに SA・PA での車内泊やハイウェイホテルを使いながら走ればゆったりとしたペースで移動し,全線を 1 回分の割引料金で通行可能となる.
ただし,現在も通勤割引などの対象となっていない東京・大阪の大都市圏内は 5 割引 & 最大 \1,000 の対象外で,3 割引とする.
大都市圏の範囲 (NEXCO 東日本ウェブサイトから引用)
アクアライン・本州四国連絡道路は 1 回の利用ごとに別途最大 \1,000 (ETC 利用の普通車・軽自動車が対象なのは同じ) が必要で,首都高などの都市高速も最大 \500 に値下げするが別料金となる.
また,今まで割引がなかった平日昼間も 100km 以下の区間では全車で 3 割引きとする.
なお,途中で降りずに東京・大阪圏内を通過した場合,最大 \1,000 の通行料金は二重徴収されない.すなわち,例えば名古屋から大阪圏を通過し福岡まで乗った場合は,\1,000+大阪圏内分の料金となる.ちなみに,青森から九州へ行く場合などは,大阪圏内は必ず通過せざるを得ないが,東京圏内は磐越道・北陸道を経由することによって東京圏を回避することは出来る.
……というのが今回の値下げの整理.実際にいつから開始されるかは,冒頭に書いたように関連法案の成立が必要だそうで,まだ決まっていません.というか,補正予算案は通過したのですから即実施出来るんじゃないかとも思うのですが,どうやら財源確保をするための「関連法案」のようで,現在も参院財政金融委員会で審議中だそうです.要するに,定額給付金と同じで,民主党などの反対で止まっているのですね.衆院での再可決による突破 (参院がこの法案について採決しなかったので,それを否決として扱う「みなし否決」動議を採択し,その上で関連法案を再議決する) が可能になるのは 3/14 以降とのことなので,早くとも 4 月からでしょうか.
さて,気になったのでこんな感じで一応調べてみました.4 月から (?) 実際にこの値下げが実施されたどう使おうと考えているかは,例によって長くなりましたので日を改めて.
Posted at 2009/02/22 20:04:35 | |
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